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賑わう生徒を横目にわたしは正門をくぐった。
快晴というにはほど遠い、今にも雨が降りそうな曇天。
なのに、折りたたみ傘の一本も持ってこなかったわたしは本当に抜けてると思う。
映えない散りかけの桜並木を抜けると、無駄に大きな校舎が見えてきた。
ここはわたしの通う学校・栄望(えいぼう)学園。
この街一番の偏差値を誇り、誰もが一度は憧れる夢の学校だ。
制服が可愛く、先生ほ評判が良いと有名で倍率は毎年計り知れないほど高い。
…まあ、実際そんなの表向きの顔であって。
学園に通う学生のほとんどが金持ち出身。
つまりコネで入学した人ばっか。
……わたしもその一人にすぎないんだけど。



