その男は振り返る。 視線の方向にはビルの間から光が漏れていた。 朝日が昇り始めたのだ。 いつも見ている朝日だというのに今日はその光が一段と眩しく感じた。 思わず目を細める。 いつの間にか男は消えていた。 …不思議な人……。 そこでようやくわたしは睡魔に襲われた。 ふわぁとあくびを一つ。 優しい朝日に包まれてわたしは眠りについた。 それは久しぶりの深い深い眠りだった。 今のわたしは自由なんだと瞼が落ちる直前に思ったのだった。