「............っ、学校、行こ、」



学校で〝何か〟用事がある訳でもないのに。



もしかしたら、
〝晴くんが帰って来てるかも?〟なんて。



想像してみては、
家を早く出てしまうっていう癖。



もう、期待しても仕方ないのに...............



そう、思っていると。



「あーーっ、さくちゃんっ!」



突然声が聞こえて、耳に届いた頃には。



──────ギュッと、
抱きしめられる、私の身体。



「..................えっ、」



驚いたと同時に漂った、
──────甘い栗の香り。



「さくちゃん、可愛くなっちゃってーっ!」



その〝テンションの高さ〟も、
相変わらずの、晴くんママだ.........っ。