「っ、ご、ごめんなさい!」
私は、思わず90°でお辞儀をして謝ると。
そのまま、
家の鍵をテーブルに置いてから。
くるっと、反対を向いて、
走るように、晴くんの部屋を出た。
「.....................っ、ぅ、」
晴くんに〝彼女〟って存在が、
いるかもしれないことぐらい。
心のどこかにはあったけど。
でも、見ちゃうのは、
やっぱりキツくて、辛くなっちゃう。
私と晴くんは、──────幼なじみ。
でも、それ以上でもそれ以下でもなくて。
それぞれの世界が、ちゃんとある。
いくら、晴くんママに頼まれたからって。
もう、晴くんの世界は、
──────踏み込んじゃいけない。
そんな気がした。