「いえ、ちょっとした顔見知りです」
「え〜ひどい。僕ら友達じゃん」

ぶぅと頬を膨らませる秋吉さんはとても可愛らしいが、私たちが友達だったことに驚きである。少しでも話したら友達昇格らしい。彼のパーソナルスペース狭すぎやしないか。

まぁこの際友達か否かは置いておいて、なぜ彼が私を訪ねてきたのだろうかと「何か私に用事ですか?」と早々と理由を尋ねる。

すると秋吉さんはけらっと笑って、口を開いた。

「光春くん、風邪ひいちゃったみたいでさ」
「えっ大丈夫ですか?!」

どうやら天音くんが風邪をひいてしまったらしいのだ。確かに最近一層顔色悪かったもんなぁと昨日の彼の様子を思い出す。

詳しい様子を尋ねると、彼は「うーん」と困ったように首を傾げる。