"今日何時上がり?"
"13時ですけど"
"じゃ、携帯に地図送っておくから"

私が?天音さんの所に配達するの?と疑問符パラダイスだった私を置き去りにして、彼は「アンタのおすすめの弁当でいいから。3個ね」と、そう言い残し電話を切ってしまったのだ。

さらには場所もよく分からないし、絶対にアプリから頼んだ方が早かったに違いない。何度かメッセージアプリに連絡するも無視。いや、仕事中かもしれないからそこは理解しているけども。

「人使い荒すぎないか・・・?」
「遅い」

電話して迎えにきてもらおうかと思ったその時、斜め後ろから不穏な声が聞こえてきた。
その声にもちろん聞き覚えがある私は、ギギギとロボットのように首だけを回した。


「・・・天音さん、こんちには」
「はい、こんにちは」

にこり、と意味深な笑みを浮かべるのはもちろん天音光春。