「お疲れ」
「うん。天音くんも仕事お疲れ様」
「三鈴ちゃんが来るまで、ここで待ってたんだよ」

天音氏も立派なうちの部員だな、と豪快に笑う和田先輩は証券会社に就職するらしい。ちなみにサークル長である近藤先輩と来年結婚することが決まった。苗字に一目惚れしたことが始まりらしい。結婚式で浅葱色の羽織を着たいと言っていたが、家族に大反対されていると頭を悩ませていた。

「仕事長引いて、講義が終わる数分前にしか着かなかったんだよね」
「もう帰っちゃえば良かったのに。後でノートの写メ送るね」
「ん。いつも助かる」

まぁサークルの先輩情報は置いておいて、なんだかんだ天音くんも新選組同好会に馴染んでいた。

全員アイドルやイケメンよりも歴史上の人物がタイプらしく、アイドル天音光春にそう騒ぐこともなく受け入れているのだ。天音くんも居心地が良いのか、こうしてサークル部屋で私を待っていることも少なくはない。