「天音くんも食べる?」と尋ねると、「明日大学いかなきゃいけないし、寝る」と布団の中に潜り込んでしまった。きっと薬が効いてきて眠気が襲ってきたのだろう。

「じゃあ遠慮なくアイスもらいまーす」

ありがたくアイスもらおうと、踵を返して天音くんに背を向けた私は「あ、それと」ともう一度振り返って芋虫状態になったそれに声をかける。

「友達が風邪ひいた時くらい、私だって心配するからね」

やっぱり仲が良い大事な友達には、いつも元気でいて欲しい。疲れた時は疲れたと、辛い時は辛いと、そう言って欲しい。じゃないと隠されていたみたいでさみしくなる。
今度から少しでも様子がおかしいと思ったら瑠衣くんにリークしてやる。

「また死神大魔神みたいな顔で私の前に出てきたら怒るからね」

するとくぐもった声で「うるさい」と帰ってきた。

これはきっと照れ隠しだろう。