今までも、これからも

「望月さんは、やっぱり名前の通りの方だ」

「私も星と書いてせいなんて名前ですから、こんな自分に似合わない名前なんで付けたんだ!ってひねくれてた事があったんです」

「でも、そうやって言うだけで努力なんてろくにしなかった。名前に恥じないように生きよう、なんて考えたことすら今日までなかったですよ」

「そんな私と違って望月さんはちゃんと努力してらっしゃる。もうその時点で蓮の花の上、きっと立てると思いますよ」

ずっと、誰かに認めてもらいたかった。先が見えない暗いトンネルをただひたすらに独り、走っているような気がした。
どれだけ世間に騒がれようと、どれだけ評価されようと、いつだってそれは『俺』じゃなかった。俳優という肩書きをなくしたら、きっとみんな見向きもしない。でも今日、月とともに照らしてくれる星をみつけた。

「星さん……あなたも、お名前通りの方ですね。星のように僕のことを照らしてくれる」

「えぇ?そんな瞬間ありました?望月さんはお世辞もお上手なんですね!……あ、3階ですね。ここを右に曲がります」

「そんなお世辞言いませんよ………そうだ、学長室に行くんだった。右ですね」