「いつもの事でしょ?星ちゃんのお世話は慣れてますから」
「毎度申し訳ない………」
ある日は当番の日にちを忘れてそのまま帰ろうとした、またある日は貸し出し手続きをせずに本を貸し出したなどなど今思うと酷い行動の数々を笑いながら対応してくれる菩薩なのが飯沼くんなのである。
「飯沼くんも、蓮の上に立てる人間だね」
「はす?………あぁ、仏教的な?芥川龍之介の『蜘蛛の糸』ではお釈迦様が蓮池から地獄を覗いているって描写があるからね。確かに仏教では悟りを表わす神聖な花だけど…急にどうした?」
「実はさっき腹痛で遅れたって言ったけど本当は人を学長室まで案内してたの。その人がはすって書いてれんさんなんだけど、名前のごとく蓮の上に立てるような心が真っ直ぐな人でさ、飯沼くんも“そっち側”だなって思って」
私の周りにはそんな人しかいないのか。私みたいに薄汚れていて、地獄も天国も似合わないような人間がいないものなのか。
「毎度申し訳ない………」
ある日は当番の日にちを忘れてそのまま帰ろうとした、またある日は貸し出し手続きをせずに本を貸し出したなどなど今思うと酷い行動の数々を笑いながら対応してくれる菩薩なのが飯沼くんなのである。
「飯沼くんも、蓮の上に立てる人間だね」
「はす?………あぁ、仏教的な?芥川龍之介の『蜘蛛の糸』ではお釈迦様が蓮池から地獄を覗いているって描写があるからね。確かに仏教では悟りを表わす神聖な花だけど…急にどうした?」
「実はさっき腹痛で遅れたって言ったけど本当は人を学長室まで案内してたの。その人がはすって書いてれんさんなんだけど、名前のごとく蓮の上に立てるような心が真っ直ぐな人でさ、飯沼くんも“そっち側”だなって思って」
私の周りにはそんな人しかいないのか。私みたいに薄汚れていて、地獄も天国も似合わないような人間がいないものなのか。
