そう意気込んで空港に来たのに
「出発した?」
「あぁ、1本早い便で」
えっちゃんはもう居なかった
「何で……俺の時は全員に許可取ってからアメリカに行けって言ったのに永斗の時は誰にも相談無く…」
「事情が違うから」
「永和の言いたいことが分からない。永斗に甘いだけじゃん」
「逆だな」
「逆?」
「あいつは俺と同じアルファだからこそ送り出した」
永和さんと春永さんの言い合いに僕は何も言えず
「温くん!?」
「……すみません」
力が抜けたようにその場に座り込んでしまった
「………今から搭乗券用意するから永斗のあと追いかけて…」
「いや、いいです」
「けど……」
「すみません……僕の我儘に付き合って貰って」
「我儘って……我儘言ってるのは永斗の方だよ」
えっちゃんが居なくなった
あぁ、頭が痛い



