された瞬間を思い出して、不快に思っていると、キングはフッと笑みをこぼす。
「何が面白……」
笑われてムッとしたのだけれど、彼はそんな私の言葉をさえぎるように口を開いた。
「水城は、自分だけ無傷でいるつもりなの?」
口調は穏やか。でも、その表情はかたくて、
「別れさせ屋に依頼して、他人が持ってる縁を操作するってのに、自分はノーリスク?」
私を見る目は軽蔑しているようだった。
キスを報酬にする意図がわかってしまい、私の中の抵抗する気持ちは薄らぐ。
「……“依頼するのなら、自分も何かやりたくないことをしろ”ってこと?」
「そこまではっきりと嫌がられたら俺も傷つくんだけど……。ま、そういうことになるね」
つまり、依頼主も自分を犠牲にした対価を払えってことか……。
そんな風に言われてしまったら、もう断るなんてできないよ。
「わかった」
キングの言う通りだ。
関係のないキングを巻き込んで、親友が持つ人との縁を操作する。
そんな最低なことをするのに、自分だけが無傷でいていいわけがない。
しぶしぶ納得すると、彼は付け足すように囁いてきた。
「……口にはしない。それは約束する」と。
「何が面白……」
笑われてムッとしたのだけれど、彼はそんな私の言葉をさえぎるように口を開いた。
「水城は、自分だけ無傷でいるつもりなの?」
口調は穏やか。でも、その表情はかたくて、
「別れさせ屋に依頼して、他人が持ってる縁を操作するってのに、自分はノーリスク?」
私を見る目は軽蔑しているようだった。
キスを報酬にする意図がわかってしまい、私の中の抵抗する気持ちは薄らぐ。
「……“依頼するのなら、自分も何かやりたくないことをしろ”ってこと?」
「そこまではっきりと嫌がられたら俺も傷つくんだけど……。ま、そういうことになるね」
つまり、依頼主も自分を犠牲にした対価を払えってことか……。
そんな風に言われてしまったら、もう断るなんてできないよ。
「わかった」
キングの言う通りだ。
関係のないキングを巻き込んで、親友が持つ人との縁を操作する。
そんな最低なことをするのに、自分だけが無傷でいていいわけがない。
しぶしぶ納得すると、彼は付け足すように囁いてきた。
「……口にはしない。それは約束する」と。