「それ、本音?」

疑いのある視線を送ってくる相良くんに、私はうなずく。

「本音だよ」

諦めたあの瞬間から、私の気持ちは変わっていない。

美奈との関係を大事にしたいから、私は岡垣くんと友達のままでいたい。


まっすぐ見つめ返した私。

相良くんは私から目を離し、すっくと立ちあがって荷物をまとめ始める。

そして――

「ついておいで」

隣の椅子に置いてあった斜めがけのショルダーバッグを背負い、私にそう囁いてそばを離れていく。