別れさせ屋に依頼をした私の結末

乗って、すぐに打ち明けて……。

それで、もし、大樹が許してくれるのなら、またあのてっぺんでキスをしたい。

そこから、また、1からやり直せたら……。

そんな計画まで立てていたけれど、それは、ただの夢物語……。

私がしてきたことは消えない。

大樹の中に生まれた感情も、簡単には消えないんだ……。

「ううん、ここで話す」

塗り替えたくない。

大樹といた時間の中で、いちばん幸せだったあの瞬間を、悲しい思い出で上書きなんてしたくない。

ずるくても、あのてっぺんにいた自分のことは大切にしたいから。

「……あのね」

私はこの言葉を皮切りに、自分がしてきたことを話し始める。

最初こそは驚くような表情を浮かべていた大樹も、徐々に落ち着いた面持ちで、静かに、私の話を最後まで聞いてくれた。

「だから、もう別れよ。……大樹は、ちゃんとマチに気持ちを伝えてよ。今ならまだ間に合うかもしれないじゃん」

自分から別れを告げる。

大樹は背中を押されたことに戸惑う素振りを見せていたが、マチに対する気持ちを否定しなかった。

でも……。