別れさせ屋に依頼をした私の結末

──放課後を迎えた私は、教室でマチと対面していた。

話す機会をうかがうわけじゃなく、強引に「教室で待つ」とメッセージを送られてしまうと、さすがに放って帰るなんてことはできない。

「美奈、岡垣くんと喧嘩でもしてるの?」

昨日のことを謝るマチは、今の私と大樹のことを聞いてくる。

テスト期間中、別々に帰っていたから、不仲なのは気づかれていると思っていたけれど……。

「急に何?」

私たちのことに口を挟もうとする彼女を、疑うように見つめた。

これまではこんなことなかった。

大樹と付き合いはじめた頃、両想いだったのだと主張した私に、マチは言った。

“私たち、恋バナなんてしてこなかったよね~”

急に恋バナをし始めたことを指摘したんだ。

黙って連絡を取っていたことを怒っていたのだと思う。

そして、この半年、私と大樹が小さなケンカをしても、一切、どうしたのと聞いてはこなかった。

「……ごめん。でも、私たち……そういう話はしないって約束したでしょ?」

きつい口ぶりになって謝ったけれど、これ以上踏み込まれたくない私は、この話を終わらせようとする。

半年前のあの言葉は、大樹との話はもう聞きたくないと言ってるようだった。私の口から彼の名前なんて聞きたくなかったはずだ。

なのに、どうして、今は聞いてくるの?

私たちがもうダメになると察したから?