「マチ、指貸して!」

「え、何、急に……」

そばにきた彼女は、首を傾げる私の手をとって、人差し指を持つ。

そして、そのままスマートフォンの画面にタッチさせた。

一体何なんだと思いつつ、その画面を見ると――

「うわっ、虹じゃん!」

「マジかよ」

同じように見ていた男子2名が、カラフルに光る星の映像に興奮し始めて。

「やったー! ありがとう、マチ! SSランク出たー!」

美奈は満面の笑みで、画面に表示された1枚のカード絵を見せてきた。

どうやら、美奈は私の指でゲームのクジを引いていたらしい。

景品の最高ランクが当たると、映像の星の絵は虹色に光る仕様になっているのだろう。

「なんだ、ガチャか。言ってたゲーム?」

毎度のことだから、またかと思っていたら、

「そう! 昨日マチを待ってる間、寺尾たちと遊んでたんだよね~!」

美奈はそう言って、そばにいるふたりのスマートフォンも差し出してきた。