「あ、そうだ。美奈ちゃん知ってるかな? 学校の近くに神社あるでしょ。今月末に縁日があるんだって!」
「え、知らない! 行きたいなぁ」
「行こうよっ。私と田沼と、美奈ちゃんと美奈ちゃんの彼氏で、ダブルデートしよー!」
「わぁ、いいね! 大樹にも言ってみる!」
あと数日で夏休みが始まる。
バレーボール部の大樹は、夏休みも毎日、朝から練習があるみたいだけれど、縁日は夜だから、きっと大丈夫だよね。
西館の特別教室を出て、アヤちゃんとふたりで北館の教室へ戻る。
北館の教室では、親友のマチが戻るのを待ってくれているはすで──
「……っ」
階段をのぼって、逆方向に教室があるアヤちゃんとわかれた私は、視界に入ったふたりの姿に焦って、思わず歩くのをやめてしまった。
「あ、戻ってきた。おかえりー!」
私に気づいて声をかけてくるのは、水城舞千佳(みずきまちか)──マチ。1年の頃からずっと一緒にいる女の子。
ひとりで待っていると思っていたのに、なぜか、彼女のそばにはジャージ姿の大樹がいた。
「え、知らない! 行きたいなぁ」
「行こうよっ。私と田沼と、美奈ちゃんと美奈ちゃんの彼氏で、ダブルデートしよー!」
「わぁ、いいね! 大樹にも言ってみる!」
あと数日で夏休みが始まる。
バレーボール部の大樹は、夏休みも毎日、朝から練習があるみたいだけれど、縁日は夜だから、きっと大丈夫だよね。
西館の特別教室を出て、アヤちゃんとふたりで北館の教室へ戻る。
北館の教室では、親友のマチが戻るのを待ってくれているはすで──
「……っ」
階段をのぼって、逆方向に教室があるアヤちゃんとわかれた私は、視界に入ったふたりの姿に焦って、思わず歩くのをやめてしまった。
「あ、戻ってきた。おかえりー!」
私に気づいて声をかけてくるのは、水城舞千佳(みずきまちか)──マチ。1年の頃からずっと一緒にいる女の子。
ひとりで待っていると思っていたのに、なぜか、彼女のそばにはジャージ姿の大樹がいた。



