午前の休憩時間は、気まずくなる前よりも楽しく過ごせていた気がする。

いつもの冗談にも大げさなくらい笑って、一緒にいられることに喜びを感じていた。


お昼休みを迎え、私たちは天気がいいからと、空の下でご飯を食べることにした。

他の生徒もいない、静かな屋上。

最初のひとくちを食べてから、私たちは初めての恋バナを繰り広げる。

好きという感情を口にするのは、すごく照れくさい。でも、こうやって聞いてくれる人がいるのは嬉しい。

美奈とは、もっと早く、こういう関係を築きたかった。私はそう思いながら話していたのだけれど……。


「美奈、なんでそんな顔をするの?」

キングとのことを話しても、美奈は浮かない顔で私を見つめてくる。

何か変なことを言ってしまったのだろうか。

別れさせ屋だということは話していない。名前も、学年も、正体は相良くんだということも伏せている。

伝えたのは、出会った時期がいつなのかということと、美奈と仲が悪かった時期に話を聞いてもらったということ。そして、その頃からキスをする関係になったということだけだ。

別れさせ屋に依頼していたことは言わず、全てをあいまいに伝えたのだが、話の途中から美奈は眉根を寄せ、うなずきもしなくなっていた。