「……。どうせ、大樹から告白された話でしょ?」

私の笑顔に少し戸惑うような表情を浮かべていたけれど、すぐにうんざりしたというかのような態度をとる彼女。

返された言葉で、私は昨夜の岡垣くんとのやり取りを振り返る。

「聞かなくても知ってるから。付き合うのだって、いちいち私に言ってからじゃなくても……」

美奈は、私と岡垣くんが付き合うことを前提にして話す。

私の心はまだ岡垣くんに向いていると思っているみたい。

「私はもう元カノだから。きっぱりと別れてるし……」

話す気がなさそうだけど、言いたいことだけ言われて去られるのはもう嫌だから。

「――断ったの。岡垣くんとは付き合えない」

結論から伝えた。

思った通り、美奈は一方的に話すのをやめてくれた。

「……なんで。私のせい?」

「違う」

「じゃあ、なんで?」

みるみると、青ざめていく顔。

きっと、美奈のことを気にして断ったと思っている。

「岡垣くんのこと、もう好きじゃないから」

好きだったことは認めようと思う。

でも、今はもう好きじゃないってことをしっかり伝えたい。