別れさせ屋に依頼をした私の結末

「キス、どこがいい?」

耳元でボソッと囁かれる。

息がかかり、一瞬で赤面した私に彼は言う。「言わないなら首ね」と。

首!? と驚くも束の間、彼は私のおろしていた髪を指先でよけ、そこに口づけてきた。

「っ……!」

いつもと違うキスにびっくりする。

これまでは唇を当てるだけだったのに、今回は口先でくわえられているみたい。

柔らかなその感触に、ゾクゾクと、身体の神経が集中した。

チクリと痛みまで感じて、かがんだ彼の肩をされるがまま眺めていた私は、ハッと我に返る。

「も、もういいでしょ」

早く終わらせたくて、キングの体を両手で押した。

けれど、彼は片手で私の両手首をまとめるように掴んで、フッと笑みをこぼす。