帰りは家のそばまで送ってもらった。

「暗いから」と当然のようにそう振る舞うところが、また、悪いイメージを揉み消していく。

家に着いても、私はすぐ家に入らず、帰ってくキングの後ろ姿を見送っていた。自分の気持ちを確かめるために。

でも、土日を挟んで迎えた月曜の今、そのときを振り返ると、確かめるなんて考えはただの言い訳だったなと思う。

すぐ家に入らなかった時点で、私の気持ちはもう決まっていたのだろう。

あれは確かめていたんじゃなく、まだ見ていたかったんだ、彼のことを。

彼の言葉や表情で、胸の奥がうずくようになっている。キスで気付かされる、嫌がらなくなってきた自分の気持ちを。

私、キングを好きになってしまった。