ホテルから出るために料金を払おうとした高槻君が困ったような焦ったような顔をしている。
「どうしたの? 高槻君」
「財布が、ない。どこかに落としてきたのかもしれない」
「うそ。部屋は?」
「部屋にはなかったはずだ」
そう言って困り果てる高槻君。あたしもどうしたものかと考え込んでいた時、高槻君がすまなそうな顔をしてあたしを覗いてきた。
「すまん、マキ。ここは立て替えておいてくれないか? 今度ちゃんと返すから」
「そうだね、分かった」
高槻君は財布を落としてしまったんだから仕方がない。今回はあたしが料金を払う事になった。今日多めにお金持ってきててよかった。そんなことを思いながら、2人でホテルを後にした。
帰り道、高槻君が不意に話しかけてきた。
「今日は嬉しかったよ。俺からのお礼のつもりだったけど」
「え、あたしなんかした?」
「俺のこと、初めて『ジュン』って名前で呼んでくれた」
そういえばあの時…。確かにジュンって呼んだ。その感覚がまだ残ってる。少し照れくさそうにしていただろうあたしに、高槻君…ジュンはもう1度キスをしてくれた。
「どうしたの? 高槻君」
「財布が、ない。どこかに落としてきたのかもしれない」
「うそ。部屋は?」
「部屋にはなかったはずだ」
そう言って困り果てる高槻君。あたしもどうしたものかと考え込んでいた時、高槻君がすまなそうな顔をしてあたしを覗いてきた。
「すまん、マキ。ここは立て替えておいてくれないか? 今度ちゃんと返すから」
「そうだね、分かった」
高槻君は財布を落としてしまったんだから仕方がない。今回はあたしが料金を払う事になった。今日多めにお金持ってきててよかった。そんなことを思いながら、2人でホテルを後にした。
帰り道、高槻君が不意に話しかけてきた。
「今日は嬉しかったよ。俺からのお礼のつもりだったけど」
「え、あたしなんかした?」
「俺のこと、初めて『ジュン』って名前で呼んでくれた」
そういえばあの時…。確かにジュンって呼んだ。その感覚がまだ残ってる。少し照れくさそうにしていただろうあたしに、高槻君…ジュンはもう1度キスをしてくれた。
