暗闇にいる少女

「大丈夫か?桜。」

洋介さんが心配そうな顔をして聞いてきた。

「大丈夫。」
「嘘つけ。目の下にクマができてる。
眠れてないのか?」

いつもだ。
いつも洋介さんは私が隠していることを簡単に見破ってくる。
今だって、化粧で見えなくしてるのに簡単に言い当てられた。
洋介さんには敵わない。

「うん。ちょっとやな夢見ちゃってね。眠れなかった。」

そう言うと洋介さんは自分のことかのように悲しい顔をした。


洋介さんがそんな顔しないでよ。
だから心配、かけたくなかったのに。