初恋時計。

【カーテンの向こう側。】
2022.8.20 -19:15-

病室の扉を開けるとそこには彼がいた。

手元の腕時計を見ると15分を指していた。
タイムリープするのに15分も掛かっていたみたい。

「こんばんは。
夜遅くにごめん。会いたかった……。功。」
「来てくれてありがとう。春さんに聞いて来てくれたの?」
「う、うん。そうだよ。
さっきこっちに戻ってきて、入院してるなんてびっくりしちゃった。」
私はヘラヘラと笑い、付きたくもない嘘を吐く。
「嘘だよね。
タイムリープ能力使ったでしょ?未来の自分は人間味無くなるのかー。」
「功には、何もかもお見通しか。
確かに敬語だし、功ぽくはないけど似てると思う所沢山あったよ。」
色々話していたら、あと終了まで15分に差し掛かっていた。
「さっきから腕時計見てるけど、もうそろそろなのか?」
「うん。そういえば功、私に伝えたいことあったんだよね。」
「じゃあ最後にこれだけ伝える。
真耶ありがとう。あっちの僕にもよろしくね。

笑ってお別れしよう……。」

「また会えてよかった。功今までありがとう。

今日も満月だね……。
  
月が綺麗ですね。」

彼がカーテンをもう一度見たときには、彼女の姿はなかった。