【愉快な仲間たち】
「悠これどうしよう……。これ会いに行くべき?」
「誰からかも分からずに行く気?正気なの?」
「正気だよ。だから困ってるんじゃん。
残された時間ないって事は死んじゃうかもじゃん。早く会わなきゃ。
悠さん頭いいじゃんなんかわかんないの?」
彼は唖然とし、呆れたように言う。

「情報量少なすぎ。もし冗談だったらどうすんの?
それにこれ去年の日付だけど、探す宛はあるの?」
「ない...です......。
ある情報は昔、住んでた場所の人ってくらい。」
やばい、頭が上がらない……。
「昔仲良かった人はいた?
真耶は高校で上京してから、愛夜の家で住ませてもらってるんだよね?」
私は過去の記憶を頭を回転させて思い出す。
「仲良かった人か~、1人近所で結構仲良くしてた子いたくらい。
愛夜の家で暮らしてるよ。最近は愛夜の両親が帰り遅いから2人で家事とかやってる。」
「愛夜が家事ねぇ......。」

すると向こう側からすごい形相で女の子が走ってくる。

「家事くらい出来る!
言っとくけど、愛夜の方が仕事してるんだからね。」
「地獄耳かよ」
彼は彼女から視線を逸らす。
「何ですって?」
彼女は口元を膨らませながら怒っている。
「ストップ、ストップ。
喧嘩しないで、確かに愛夜は沢山こなしてくれて頼りになるよ。」
私は愛夜に抱きつかれた。

宥めるばかりで話が全く進まない......。

「あれ、みんな居るじゃん。もう帰ったと思ってたんだけど。」
「煇!」
「おう、てかなんで抱きつかれてんの?」
「褒めたら抱きつかれた。」
「ほんと変わらないなー。お前らは、
褒められただけで抱き付くとか愛夜ちょろすぎ。」
煇は小馬鹿にするように笑った。
またいつものように言い合いが始まる。

相談できなかったことに私は少し凹みながら帰路を歩いた。