【謎の手紙】
時が過ぎていく時間は短い。最近まで桜が咲いていたはずなのに、眩しいくらいに太陽は照りつけている。
記憶はどこまでも儚い。大切にしていたものはいつか、忘れ去られていく。
後悔も幸せも絵の具のように心に塗られていく……。
昨日、私宛に手紙が届いた。
少し汚れが付いていたり、破れたりしていた。
文字は温かみが感じられなかった。
まるで人じゃない何かのようだった……。
手紙にはこう書かれいた。
「お久しぶりです。この手紙を書くたび、貴方との思い出が、懐かしく感じます。
離れてしまった貴方に、また会えたらいいのに。
私には、残された時間はないのです。
今、貴方は何処にいますか。
会えたら貴方に……。」
そこで、手紙が途切れた。手紙の裏には、2022.8.20と昔住んでいた地名記されていた。



