「…紗英は、俺に会って嬉しくないの?」
首元に顔を埋めてそんなこと聞くから、首元に直接翔くんの息がかかってくすぐったい。
変な声が出そうになるのを堪えてるから、声を出せずにいると、また翔くんが口を開いた。
「俺だけ?…こんなに紗英に会いたかったの。」
なんてまた言うから、キュンとする。
「わ、私も…翔くんに早く会いたかったよ。」
「…ホント?」
不安気にそう言う翔くんを安心させたくて
「ホントだよ。」
と答えると、翔くんが首元でフッと笑った。
「…うれし。」
そう言って、首元に顔を埋めたまま、肩のあたりにそっと口づけしてきた。
狭い部屋の中で、翔くんが何度も口づけるチュッという音とエアコンの音がやたら響いて聞こえる。
それに、もうお腹の汗は拭き取り終わったはずなのに、相変わらず私のお腹を撫でる翔くんの手がますます私の体を熱くさせた。



