「ちょ…!なに…」


「どこ。」


「へ!?」


「拭き取り終わってないのって、どこ。」


「え、お腹のあたりとか…」


私がそう言うと、翔くんが汗ふきシートを持った手を私のTシャツの中に差し入れてきた。


「ちょ…!なに…」


そう言ってちょっと逃げようとしたけど、翔くんが私を掴む腕は、びくともしない。


身をよじる私の耳に、翔くんが口を寄せて囁く。



「Tシャツめくって、肌見せて。…あんなの見せられたら、俺がどう思うか、わかってる?」



「ど、どうって…」



「紗英に、今すぐ触れたい。」



そう言うと、翔くんの手が、シートごしに、私のお腹を優しく撫で始めた。


「…!!」


少しだけ、脇腹のあたりに翔くんの手が触れて、くすぐったくて勝手に体がビクッと反応する。


そんな私の体を、翔くんの腕は相変わらずがっちり掴んで、離してくれない。