ガチャ



部屋のドアが開いたのでびっくりして振り向くと、翔くんが髪をタオルで拭きながら部屋に入ってくるところだった。



「…」



「…」




タオルで頭を拭いていた手を止めて、翔くんが一時停止して私を見てる。


私はめくっていたTシャツをバッとおろして整えてから「お、おはよ…」と言った。


恥ずかしくて、顔に熱が集まるのがわかる。


翔くんも視線を逸らして「はよ」と返してくれた。


「来てたんだね。」


そう言うと、翔くんは扉を閉め、タオルで髪を乾かしながら、床に座っている私の近くまで歩いてきた。


髪を乾かすタオルで、表情が見えない。


「う、うん。今来たばっかりで…。翔くん、もう部活終わってたんだ?」


「うん。汗かいたからシャワー浴びてきたとこ。」


翔くんはそう言いながら、私のすぐ横に座ろうとしたので、慌てて翔くんと距離を取った位置に座り直す。