五十嵐くんに、食べられそうです。


「な、なに?」


そう言うと、翔くんが急に手を伸ばしてきて、グイッと引き寄せられた。


翔くんの顔が、私のすぐ横にある。


ドキドキしてたら、耳元で「飯食ったら、部屋に戻って、紗英を食べていい…?」なんて言う。


ドクンと心臓が跳ねた。


コクッと頷くと、翔くんが耳元でフッと笑って「…やった。」と呟いた。


どちらからともなく顔を離すと、翔くんがちょっと顔を赤くして嬉しそうに笑って言った。


「明日からの遠征、紗英のおかげで頑張れそう!」


そんなこと言われたら、何も言えないじゃん。


ご飯を食べて、ちょっとだけデートして。


翔くんの部屋に帰ってきて。


いっぱい


いっぱい



……食べられました。