五十嵐くんに、食べられそうです。


どのくらい寝ただろう。



急に息苦しく感じて思わず顔をしかめる。


体がちょっと重い。



――何?



目を瞑ったまま、ぼんやりそう思っていると…


唇に柔らかいものが触れた。


しばらく触れた後、離れたと思ったらまた触れる。


しばらくして、また離れたと思ったら、「…顔。」と言ってフッと笑ったような声が聞こえた。



――なんか顔見て笑われた!?



ちょっと息苦しい上に、顔を笑われてムッとしていると、また唇に柔らかいものが触れた。


…と思ったら、今度は少し開いていた口の中に舌が……。


パチッと目を開けて天井が見えて、やっとどこにいたのか思い出した。


チラッと見ると、翔くんが布団の中で私の上に体を重ねて唇を重ねてる。


翔くんのキスで頭がボーッとしてきたけど、ふとさっきの出来事を思い出して、思わず翔くんの肩をバシッと叩いた。


「いてっ」


唇を離してそう言った翔くんに文句を言う。


「ちょっと!なんなの!!」


廊下に声が漏れないように、声を抑えながら語気強めで抗議する。