五十嵐くんに、食べられそうです。


「俺、席替えして紗英と離れたらどうすればいい?」


「うーん…」


「…そこは『毎日添い寝してあげるよ♡』って言ってよ。」


「毎日はムリ。」


「たまにはしてくれるってこと?」


「…」


「…」


「え、してくれないの?」


ちょっと体を起こして私の顔を覗き込む翔くん。
まっすぐ見つめてくる目にドキドキさせられる。


「…いいよ。」


私がにっこり笑ってそう言うと、翔くんは顔をちょっと赤くして「やった。」と言ってはにかんだ。


そして、また顔を近づけて唇を1度だけ重ねる。


「…おやすみ。」


唇を離し、翔くんが私の頭を撫でながらそう言ったから、私も「おやすみ」と言って目を瞑った。


翔くんは元の体勢に戻って私を抱き寄せ直すと、しばらく頭を撫でてくれた。


布団の中は、私と翔くんの体温で心地良く温かい。


翔くんに抱きしめられ、優しく頭を撫でられながら、私もウトウトしてきて、そのまま眠りについた。