五十嵐くんに、食べられそうです。


翔くんの腕に導かれるようにして、私は翔くんに後ろから抱きしめられる形で横になった。


「ちょっとだけ寝たら、昼飯食いに行こ。」


「うん!行こう行こう。」


「あー、やっぱ紗英が横にいると落ち着くな。」


そう言って、私のお腹のあたりに手を伸ばすと、そのまま軽く抱き寄せられて、翔くんと体がますますぴったりくっついた。


「学校がある時は、紗英が前の席にいたから、居眠りしてなんとかなってたんだけどな…」


そう呟いた翔くんに、私は「えー?」と言って軽く文句を言う。


「翔くんの授業中の居眠り、私のせい?」


「だって、紗英がいい香りさせるから…。ちょっと居眠りすればその後、すっげー調子よくてさ。部活も集中できるし、助かってた。」


「そう…」


――助かってた、なんて言われたら何も言えないじゃない。