「……めっちゃ眠い。」
「え。」
なにそれ。雰囲気ぶち壊し。
思わずクスクス笑ってしまった。
翔くんもちょっと笑ってる。
「……紗英がいい香りさせてるのが悪い。」
「えー、私のせい?」
「いや、ごめん。ちゃんと睡眠とれてない俺が悪い。」
「昨日も眠れなかったの?」
「うん…昨日どころか、ここ2、3日…」
そう言いながら、翔くんは私の肩に顔を乗せて目を瞑って、今にも寝ちゃいそう。
「ベッドで寝なよ。ここで寝たら疲れとれないよ?」
「…やだ。」
「なに言ってんの、ほら立って…」
「…だって、俺寝たら、紗英帰っちゃうでしょ?」
なんて、眠そうな表情で、寂しそうに言う。
思わずキュンとした。
「…帰らないよ。」
「ホント?」
「うん。」
「じゃあ…」
そう言うと、翔くんは私の足の下に手を差し込んでそのまま私を持ち上げた。



