学校は終わり、校舎から出てきた生徒の賑やかな声があたりに響く。
綾那のいる教室にも微かに届いた。


「あ……もう放課後か。」

私は生徒の声が聞こえなくなるまで待ってから、教室に鞄を取りに行くために立ち上がった。


私はポケットに手を突っ込み足元を眺めながらゆっくり歩く。


結局すべての授業をサボって、
ずっとあの教室でぼーっとしていた。

いつもそう。

ぼーっとして無駄に時間を使う。
今までだって、そうやってつまらない人生をやり過ごしてきた。


でも、本当は分かってるの。
踏み出さなくちゃいけないこと。
自分が傷ついたって、もう終わりにしないといけないことを。


でも出来ないの。

……私はどうしようもないくらい臆病だから


馬鹿だな…私は。