さすがにやばいと思って必死で交渉する。
ちょっと仲良いくらいの男に養ってもらうようなダメ人間にはなりたくない!
「ちょっと待て!せめて量を減らして!!でないと一生口聞かないんだから!!」
傍目も気にせずに叫ぶと、意外にも効果があったようだ。
「え〜それはやだなぁ。分かったじゃあ一着減らして…」
「もっと減らす!!もはや一着だけでいいから!」
その後も口論は続き…
結果的に全身フルコーデの分を買うという所で落ち着いた。結局私が折れたのである。
***
「ありがとうございました〜!」と店員さんの声が響く中、私はずいっと類に手を差し出した。
「…レシート見せて」
きっと桁数の多い数字が書かれているであろうレシートを見るのはすごく嫌だが、見ないわけにはいかない。
類はプレゼントのつまりかもしれないが、それは私が嫌なのだ。借りを作るようなことはできる限りしたくない。
「ん?」
「いいからレシート貸して!」
「ああ、返さなくていいよ。俺が買いたくて買ったものだし。」
「私がいやなの、ってちょっと…!」

