眩しいほど晴れた空の下で私はため息をついた。
目の前には太陽がよく似合う温かな笑顔があった。
誰もが見惚れる笑顔だが、私は不審な顔で見る。
「……分かった。ちょっと納得いかないけど類がこれでいいなら。」
私は観念して受け入れた。
そんな私に対して類は笑顔で爆弾をぶちこんできた。
「ありがとう。じゃあ、手を繋ごっか。」
(…………)
私は固まった。その言葉の通りに“固まった”のだ。
人間というのは衝撃的なことが起きると思考と身体が停止するんだ…。
なんて現実逃避をしてみたりする。
「……ごめん。ちょっと聞こえなかった。」
(……なんか手を繋ごう、とかいう変な言葉が聞こえた気がするけど…。んー……嫌な予感…。)
恐る恐るに尋ねた私にもう一度爆弾発言。
「そう?じゃあもう一回言うね。手、つなご」
類から放たれた言葉は聞き間違えたと思った内容と同じであった。
「……なんでそうなるの?」
(どう考えても理解できない。頭が悪い…?
いや、テストは学年でも上位だった…。)
なんと、類は芸能活動で登校の頻度も少ないのにテストではクラス一位、学年で六位だったのだ。要領が良すぎて怖い。
ん?私?そんなの言わなくてもわかるでしょ。惨敗よ。
やっぱり勉強しないとかな。そろそろ留年の可能性がでてきた。
去年は担任に「次のテストで全ての教科平均以上の点数とったら進級させてやる」って言われ、その時だけ頑張ったのだ。私、元はできる子だから。
今年もそうしたいけど、今の担任厳しいからそうもいかないだろう。
なんて現実逃避してる間に類が私の手を取った。

