表情は見れなかったが、察してくれたようで素直に答えてくれた。いいやつだ。
「ありが…」
「しかーしっ!!」
「は?」
急に大声を出した類を驚きながら引き気味に見上げる。
類はそんな視線を一切気にせず、ぴんっと人差し指を立てて見せた。
「一つ、条件がある。」
次に続く言葉に呆気を取られ、私は目を瞬かせた。
***
「……ねぇ、本当にこれでいいの?あんたは私の弱味を握ったんだよ?他に何かあるでしょ。」
願いを引き受けたものの、まだ納得のいかない私は何度目かの問いかけをした。
同じ質問を何度も受けた類は呆れたように同じ台詞を吐く。
「他なんてない。俺はこれがいいんだよ。」
「……でも、二人で出かけるだけとかちょっと拍子抜け…」
そう、今私たちがいるのはショッピングモール。
もちろん類はバレないようにメガネと帽子をつけている。
…キラキラオーラは隠しきれてない気はするが…
……はあ、今日も大変な一日になりそうだ。

