トクベツにならないで〜独占欲の強い少女は人気アイドルになびかない〜


「rainって学生かもしれないなんて説もあるらしいし、もしこの学校にいたらやばくね!?」

……います。あなたのすぐ近くに。というか目の前に…。
灯台下暗しとはまさにこのこと。当事者としては、目の前で私の話をされるのはちょっと…いや、とてもいただけないが…。

「……俺もrainは好きだし、会えたら嬉しいな。」

知らん振りして爽やかスマイルで話す類を呆れた顔で見つめる。

(いや、お前は知ってるだろ。隠し事がうますぎてこわい。)

その瞬間6限の授業の開始を知らせるチャイムがなり、話は終わった。
チャイムがなってすぐ、先生が来て授業が始まる。
私は頬杖をついて窓の外を見つめた。今日は寝ない。

(……まさかrainと同じ声だと気づかれるなんて。確信があるわけではないだろうけど、気をつけないと。)

もしバレて、私の姿がネットにでも流れでもしたら……アイツらに気づかれるかもしれない。
気づかれても別に、避ければいいだけだけど…ダルいし。なんか癪にさわるしね。

ーーあの人たちには絶対に、利用されたくない。