トクベツにならないで〜独占欲の強い少女は人気アイドルになびかない〜



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「あっ、帰ってきた……」

授業終了のチャイムが鳴り、サボり部屋ーー古い音楽室から帰ってきた私たちに真っ先に気づいたのは三田。
三田の声に反応して安達は凄い勢いで首を回し、こちらを振り返った。

「あーー!!!お前ら、どこいってたんだよ!」

突然叫び出すから耳がキーンとする。

「………安達、うるさい。頭に響く。」

私は氷のように冷たく安達を見遣り戒めるものの、サラッと無視された。

「体育一緒にやりたかったのに!サッカー、楽しかったぞ。」

サッカーが楽しいなんて、今まで頑なに運動を避けてきた私が思うことは一生ないだろう。

「……安達の運動神経はバケモン並みだからな。」

「へへっ!勉強出来ないぶん、スポーツは得意だぜ!」

まあ、こいつは勉強出来なさそうだな。バカだし。
聞けば、一年の時から色々な部活の勧誘を受けてるらしいが、入ってはいないそうだ。
それをいいことに色々な部活の助っ人として回ってるらしい。
なんでも、縛られずにたくさんのスポーツをしたい、だと言っていた。