「そっか…。じゃあ俺らだけの秘密、ってこと?」

「………そんな大した事じゃないけど。」

「いいじゃん。なんか特別な感じがして。」

類はそう言って笑った。なによ、特別って。
………でも私と話してる時点でもう周りから見たら特別なのだろうか。

そう思うと少し胸が痛んだ。
ーー忘れるな。特別なんて作ってはいけない事を。


でも、本当にそれでいいの?このままなにも変わらずにいるの?

ーー私はどうしたいの?


………わからない。
でも、少し。本当に少しだけ、

類の隣は居心地がいいと思った。


***


その日のお昼、私は久しぶりに誰かと一緒にご飯を食べた。

何故か知らないけど類の友達の…確か、あ…安達と、三田だっけ?…まあいいや。
そんな感じの名前のクラスメイトとも一緒だった。

安達は何故か私に好意的で、すごい笑顔で「こんなに面白い子だったなんてなー!仲良くしてくれよ!!」なんて言われた。
声がデカかった。

三田はなんか、すごい消極的でほとんど俯いてた気がする。私と目が合うと露骨に視線逸らすし。
……嫌われてるのかと思ったけど類によると女性が苦手らしい。大変なんだなあ。


そんなこんなで結構騒がしいお昼を過ごした。


勿論、その時の私は休憩時間のたびに3人に囲まれるのが当たり前になるなんて、知る由もなかった。