rainはさっき逢崎が言ったように、人気が出てきている歌姫である。
だが、人気といっても誰もに認知されているわけではない。
だから、ここまで知っている人は少ないと思う。
「それはもう!大大大っファンだもん!!だからこうして会えてホントに嬉しいよ!どうりで歌い方が似てるなと思ったんだ!」
逢崎は興奮を抑えきれず、大きな声で話す。
大きな声はちょっと迷惑だけど大きな熱意が伝わってきた。
「そ、そっか。」
でもやっぱり声大きい……!
「あ、ごめん…興奮しちゃった……。」
逢崎はさっきとは打って変わってしょんぼりしてしまった。
……子犬……垂れ耳……って、わたし、しっかり!
「いや、大丈夫。……うれしい。」
素直に今の自分の気持ちを伝える。
ファンの人には出来るだけ気持ちを返したいと思ってるし。
「…!…そっか!」
逢崎は綺麗な笑顔で微笑んでそう言った。
もともと顔がいいのも相まって、辺りがキラキラしている。
ドキッ
……ん?なに?ドキッ、って……もしかして……。
……いやいや、そんなわけない!
これはただのバグだ。バグ!
うん。絶対に……そう、だよね?
そう、でないと……
私、は………
ーー許されない……から

