トクベツにならないで〜独占欲の強い少女は人気アイドルになびかない〜


「本当にすごかったなぁ〜。余裕でプロになれるんじゃない?」

逢崎は優しい表情で私の顔を覗き込んできた
……プロ、か。

「……ねえ、rain(レイン)って、知ってる?」

私は少し考えた後、決意して話しかけた。
期待と不安を抱いて逢崎の様子を伺う。

「もちろん!今人気の歌姫でしょ?俺、大ファンなんだよねー」

逢崎はにこやかに答えてくれる

……知ってくれてるんだ。
これから告げることも心が軽くなったし、普通に言えそうだ。
……それになんだか胸があったかくなった。

「……あれ、私なの。だからもうプロ、なの。」

ちょっとほっこりした気持ちで軽く告げる

「……え?嘘、でしょ?」

そんな私に対して、逢崎は想像以上に驚いたようで、開いた口が塞がらない様子だ。
なんか面白い。

「ホント。」

「あのSNSで人気のカバー曲をいっぱい出してて、テレビでも何回か取り上げられてた、あの?」

逢崎は衝撃が隠しきれないようで、混乱したように質問してくる。
やっぱりなんか面白い。

「うん。あのrainだよ。……てか詳しいね。」