召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?


それぐらいなら私のままでいいよ。


どうせ来年度のクラス替えまで辛抱すればいいだけなんだ。


その前に魔王様が魔界に連れ帰ってくれる可能性だってあるかもしれない。


急いで席に戻ろうと、踵を返した。


そのとき偶々、廊下を歩いている人が目に入った。


理事長だ。


珍しい。行事以外で見かけるなんて。


理事長はあちこち指差しながら、談笑している。


隣にいる人に校内を案内しているようだ。


……あれ?


いやいやいや、見間違いでしょ。だって、こんなところにいるはずがない!


それでも私は、理事長の話に相槌を打つその人に、視線が釘付けになった。


その人も私の視線に気づいたのか私を見て、そして私と同じように驚いた。


「あら、ミクルさんじゃないの! 奇遇ね。こんなところで何してるのかしら?」


それはこっちのセリフです!


上品なベージュのセットアップで、この世界にめちゃくちゃ溶け込んでますけど!