そんな会場には、女性の招待客もたくさん来ていた。
この中に、魔王様に恋心を抱いている人もいる?
魔王様を恋する目で見つめるご令嬢がいないか、隈なく調べたかった。
けれど、そこで楽器による演奏が始まってしまった。
ファンファーレ?
……にしてはおかしい。ファンファーレって、こんなじゃないよね?
この世の終わりを告げる警報のような、何とも言い難い哀しいメロディが高らかに鳴った。
どうやら式典がスタートする合図だったみたい。
ちぐはぐ感を覚える。
覚えはするものの、このちぐはぐ感にもいつの間にか慣れたような気がする。魔界らしい、とすら思う。
召喚されたあの日から、私も魔界の住人になったんだよねー。
そう思うと、感慨深いものがある。
開式が宣言された。
そして、魔王様が別棟では見せたこともない仏頂面で挨拶した。
そんな顔じゃ、今日の主役とは到底思えない。
式典とか大っ嫌いなんだろうなー。



