…数時間後。
俺の目の前に、これまで見たこともないような「誕生日ケーキ」があった。
「はい、悠理君。お誕生日おめでとー」
その誕生日ケーキを持ってきた寿々花かんが、ぱちぱちと手を叩いて祝福してくれた。
うん、ありがとうな。
で、聞きたいことがあるんだが。
「…寿々花さん、これ何?」
「え?誕生日ケーキ。悠理君の為に作ってもらったんだー」
「そ、そうか…。そりゃどうも…」
…。
俺の目の前には、テーブルを覆い尽くすような…超巨大ケーキがあった。
三段ケーキなんて、俺、リアルで初めて見た。
しかも、一段ごとに味が違う。
飽きさせない為の工夫なんだろうか?
一段目は白い生クリームのデコレーションケーキ、二段目はチョコクリームのチョコレートケーキ。
三段目は、フルーツがたっぷりと乗ったタルトケーキ。
その上に、板チョコ十枚分くらいの巨大なチョコプレートが乗っていて。
『ゆうりくん おたんじょうびおめでとう』って、チョコペンで書いてある。
…何で全部ひらがな?
チョコペンで文字を書ける人、本当器用だよな…。俺だったら、最初の「ゆ」で潰れそう。
熟練のパティシエの為せる業だよ。
しかしこれ…。このケーキの大きさ、豪華さ…。
誕生日ケーキと言うより…ウェディングケーキじゃね…?
「一体どうしたんだ…?このケーキ…」
予約をしていた訳でもないのに、何処で作ってもらったんだ?
こんな上等なケーキを、予約なしにすぐ用意してくれるお店が、この近辺にあったのか?
しかし、そうではなかった。
「実家のコックさんに頼んだんだー。おっきい誕生日ケーキ作って、って」
「…」
…成程、納得。
これ、無月院家お抱えの料理人が作ってくれたのか。
これが無月院家の権力というものか。
本家の料理人に、非常に申し訳ない。
驚いただろうなぁ。突然寿々花さんが連絡してきて、超巨大誕生日ケーキを要求。
きっと、厨房フル稼働で、大急ぎで作ってくれたんだろうなぁ。
権力の濫用って奴だ。
で、出来立てのケーキを急いで持ってきてくれたんだろう。
俺だってびっくりしたからな。突然来客があったと思ったら。
四人がかりで、このケーキをえっちらおっちら、家の中に運んできてくれて。
あまりに大きいものだから、玄関の扉を通り抜けられるのか心配だった。ギリギリ入ったけど。
「きっと美味しいよ。食べてみて」
「…そりゃ美味しいだろうよ…」
無月院本家の料理人が作ってくれたものなら、そりゃ美味しいに決まってるって。
それは良いんだけどさ。
「…絶対食べきれないと思うけど、どうすんの?これ…」
「…?」
思ってもみなかったみたいな顔で、寿々花さんはきょとんと首を傾げた。
考えてなかったな?さては…。
大きいケーキにロマンを感じるのは分かるよ。分かるけど。
過ぎたるは及ばざるが如し、って知ってるか?
俺達は、二人しかいないんだぞ。
こんな巨大ケーキ、絶対食べきれない。
俺の目の前に、これまで見たこともないような「誕生日ケーキ」があった。
「はい、悠理君。お誕生日おめでとー」
その誕生日ケーキを持ってきた寿々花かんが、ぱちぱちと手を叩いて祝福してくれた。
うん、ありがとうな。
で、聞きたいことがあるんだが。
「…寿々花さん、これ何?」
「え?誕生日ケーキ。悠理君の為に作ってもらったんだー」
「そ、そうか…。そりゃどうも…」
…。
俺の目の前には、テーブルを覆い尽くすような…超巨大ケーキがあった。
三段ケーキなんて、俺、リアルで初めて見た。
しかも、一段ごとに味が違う。
飽きさせない為の工夫なんだろうか?
一段目は白い生クリームのデコレーションケーキ、二段目はチョコクリームのチョコレートケーキ。
三段目は、フルーツがたっぷりと乗ったタルトケーキ。
その上に、板チョコ十枚分くらいの巨大なチョコプレートが乗っていて。
『ゆうりくん おたんじょうびおめでとう』って、チョコペンで書いてある。
…何で全部ひらがな?
チョコペンで文字を書ける人、本当器用だよな…。俺だったら、最初の「ゆ」で潰れそう。
熟練のパティシエの為せる業だよ。
しかしこれ…。このケーキの大きさ、豪華さ…。
誕生日ケーキと言うより…ウェディングケーキじゃね…?
「一体どうしたんだ…?このケーキ…」
予約をしていた訳でもないのに、何処で作ってもらったんだ?
こんな上等なケーキを、予約なしにすぐ用意してくれるお店が、この近辺にあったのか?
しかし、そうではなかった。
「実家のコックさんに頼んだんだー。おっきい誕生日ケーキ作って、って」
「…」
…成程、納得。
これ、無月院家お抱えの料理人が作ってくれたのか。
これが無月院家の権力というものか。
本家の料理人に、非常に申し訳ない。
驚いただろうなぁ。突然寿々花さんが連絡してきて、超巨大誕生日ケーキを要求。
きっと、厨房フル稼働で、大急ぎで作ってくれたんだろうなぁ。
権力の濫用って奴だ。
で、出来立てのケーキを急いで持ってきてくれたんだろう。
俺だってびっくりしたからな。突然来客があったと思ったら。
四人がかりで、このケーキをえっちらおっちら、家の中に運んできてくれて。
あまりに大きいものだから、玄関の扉を通り抜けられるのか心配だった。ギリギリ入ったけど。
「きっと美味しいよ。食べてみて」
「…そりゃ美味しいだろうよ…」
無月院本家の料理人が作ってくれたものなら、そりゃ美味しいに決まってるって。
それは良いんだけどさ。
「…絶対食べきれないと思うけど、どうすんの?これ…」
「…?」
思ってもみなかったみたいな顔で、寿々花さんはきょとんと首を傾げた。
考えてなかったな?さては…。
大きいケーキにロマンを感じるのは分かるよ。分かるけど。
過ぎたるは及ばざるが如し、って知ってるか?
俺達は、二人しかいないんだぞ。
こんな巨大ケーキ、絶対食べきれない。


