アンハッピー・ウエディング〜前編〜

「おまけに…悠理君の頭にコブを作っちゃった…」

「う、うん…。あれはまぁ…痛かったけども…」

「誕生日なのに…。私が悠理君にしてもらったように、今度は私が悠理君のお誕生日、お祝いしたかったのに…」

ずーん、と沈み込む寿々花お嬢さん。

な、なんか…可哀想と言うか…申し訳なくなってきた。

「別に…そんなに気にしなくても。俺は別に、誕生日だからって寿々花さんに特別な何かを求めてはいないぞ」

普段通りで良いんだぞ、普段通りで。

今朝、開口一番に誕生日おめでとう、って言ってもらったしな。

俺はそれで充分だ。

…しかし、寿々花さんはそれだけでは満足出来なかったようで。

「ごめんね、悠理君。…私、上手く出来なくて」

「そんな…謝るようなことじゃないだろ?」

そんな泣きそうな顔しないでくれよ。

何て言ったら良いのか分からなくなる…。

寿々花さんは、すっくと立ち上がった。

「私、ちょっと外で…頭を冷やしてくるね」

「えっ。いや…」

「すぐに戻るから、大丈夫」

と言って。

寿々花さんは、玄関から庭に出ていってしまった。

…マジで?これ追いかけた方が良い感じ?

頭を冷やしたくても、この炎天下じゃ逆効果なのでは…?