止める間もなく、キッチンに直行する寿々花さん。
「悠理君は何もしなくて良いからね。私がお昼ご飯作るから」
「いや、でも…。さすがに料理は…」
「大丈夫だよ。家庭科の調理実習で、料理には慣れてるから」
「…」
だからこそ不安なんだよ。
以前、その調理実習で目玉焼きを作って爆破させたり。
あんたの作ったハンバーグを食べて、家庭科の先生が気を失ったんだろ?
そんなエピソードを聞かされてるのに、「じゃあ宜しく」とは言えないって。
心配過ぎて、目が離せない。
食べられないものを作るのは良いんだよ。いや、良くはないかもしれないけど。
それより俺が心配してるのは、火の扱いと包丁の扱い。
寿々花さんが指を火傷したり、包丁で切ったりしたらどうしようと思って。
それが心配で、安心して任せられない。
しかし、寿々花さんは何故か自信満々で。
「大丈夫。悠理君はお殿様なんだから、『美味でございます〜』って言ってれば良いんだよ」
「…それ、殿の台詞じゃなくね…?」
何処で覚えてきたんだよ。
…ともあれ。
やっぱり心配だから、ダイニングテーブルから寿々花さんの様子を伺うことにする。
いざとなったら、速攻止めに入るってことで。
「よーし。それじゃあ始めよう…。…3分クッキング〜」
とか言いながら、冷蔵庫を開ける寿々花さん。
…3分クッキングではないだろ…。
「うーんと…。冷蔵庫の中は…牛さんと、鶏さんと…これは…シカかな?」
それも鶏肉だよ。鶏もも肉。
普通のスーパーにシカ肉なんて、そうそう売ってないっての。
まぁ、分かるよ。生肉のパックの状態で売ってたら、料理に疎い人は、それが何の肉か区別がつかないらしい。
俺だって最初は分からなかったよ。
自分で買い物に行って、自分で料理するようになって、ようやく間違えずに区別がつくようになったのだから。
寿々花さんが生肉の区別がつかなくても仕方ない…けども、せめてシカ肉と鶏もも肉の区別くらいは出来て欲しかったな。
「それから、お野菜はー…と。ネギ、こっちもネギ…。これは…ネギ?」
俺、そんなにネギ買ってた?
絶対嘘だって。長ネギと玉ねぎしか買ってない。
全部ネギにしやがって。あんたが今片手に持ってるのは、ネギじゃなくて小松菜だ。
お浸しにしようと思って買ってきてた奴。
「こっちがじゃがいも。こっちがニンジン…。こっちがキャベツで…こっちもキャベツ?」
片方はレタスだって。よく見てみろ。全然違うだろ。
「悠理君、同じ野菜をいっぱい買ってるんだなー」
違うっての。
俺に対する風評被害やめろ。あんたが区別ついてないだけだから。
「まぁ良いや。じゃあ、この牛さんのお肉と、ネギと、じゃがいもとニンジンで…」
おっ。カレーか?
カレーの材料だよな。もしくは肉じゃが。
良いぞ、無難で。幸いストック棚に、封を開けていない新しいカレー粉が置いてある。
…しかし。
「酢豚を作ろーっと」
…。
…豚、入ってるか?その酢豚。
「悠理君は何もしなくて良いからね。私がお昼ご飯作るから」
「いや、でも…。さすがに料理は…」
「大丈夫だよ。家庭科の調理実習で、料理には慣れてるから」
「…」
だからこそ不安なんだよ。
以前、その調理実習で目玉焼きを作って爆破させたり。
あんたの作ったハンバーグを食べて、家庭科の先生が気を失ったんだろ?
そんなエピソードを聞かされてるのに、「じゃあ宜しく」とは言えないって。
心配過ぎて、目が離せない。
食べられないものを作るのは良いんだよ。いや、良くはないかもしれないけど。
それより俺が心配してるのは、火の扱いと包丁の扱い。
寿々花さんが指を火傷したり、包丁で切ったりしたらどうしようと思って。
それが心配で、安心して任せられない。
しかし、寿々花さんは何故か自信満々で。
「大丈夫。悠理君はお殿様なんだから、『美味でございます〜』って言ってれば良いんだよ」
「…それ、殿の台詞じゃなくね…?」
何処で覚えてきたんだよ。
…ともあれ。
やっぱり心配だから、ダイニングテーブルから寿々花さんの様子を伺うことにする。
いざとなったら、速攻止めに入るってことで。
「よーし。それじゃあ始めよう…。…3分クッキング〜」
とか言いながら、冷蔵庫を開ける寿々花さん。
…3分クッキングではないだろ…。
「うーんと…。冷蔵庫の中は…牛さんと、鶏さんと…これは…シカかな?」
それも鶏肉だよ。鶏もも肉。
普通のスーパーにシカ肉なんて、そうそう売ってないっての。
まぁ、分かるよ。生肉のパックの状態で売ってたら、料理に疎い人は、それが何の肉か区別がつかないらしい。
俺だって最初は分からなかったよ。
自分で買い物に行って、自分で料理するようになって、ようやく間違えずに区別がつくようになったのだから。
寿々花さんが生肉の区別がつかなくても仕方ない…けども、せめてシカ肉と鶏もも肉の区別くらいは出来て欲しかったな。
「それから、お野菜はー…と。ネギ、こっちもネギ…。これは…ネギ?」
俺、そんなにネギ買ってた?
絶対嘘だって。長ネギと玉ねぎしか買ってない。
全部ネギにしやがって。あんたが今片手に持ってるのは、ネギじゃなくて小松菜だ。
お浸しにしようと思って買ってきてた奴。
「こっちがじゃがいも。こっちがニンジン…。こっちがキャベツで…こっちもキャベツ?」
片方はレタスだって。よく見てみろ。全然違うだろ。
「悠理君、同じ野菜をいっぱい買ってるんだなー」
違うっての。
俺に対する風評被害やめろ。あんたが区別ついてないだけだから。
「まぁ良いや。じゃあ、この牛さんのお肉と、ネギと、じゃがいもとニンジンで…」
おっ。カレーか?
カレーの材料だよな。もしくは肉じゃが。
良いぞ、無難で。幸いストック棚に、封を開けていない新しいカレー粉が置いてある。
…しかし。
「酢豚を作ろーっと」
…。
…豚、入ってるか?その酢豚。


