母さんが買ってきてくれたチーズケーキは、めちゃくちゃ美味しかった。
五臓六腑に染み渡る、って言うか。
人生で、これほどチーズケーキを美味しく食べたことがあるだろうか。
え?大袈裟?
そう思った奴は、さっきのインスタントラーメン食べてこいよ。
あれの後で食べたものなら、何でも感動するくらい美味いからさ。
この世にこんな美味しいものが存在したのか、って思うから。マジで。
「美味しかったねー、悠理君」
「あぁ…。多分、人生でこんなに美味しいチーズケーキは、もう二度とないだろうな…」
生き返った気分だよ。
「…よし。こうしちゃいられないや。悠理君、私頑張るね」
「お、おぉ…?」
何を?と聞く暇もなく。
寿々花さんはケーキのお皿を片付けて、さっさと二階に上がって行ってしまった。
…何を企んでるんだ?
何でも良いよ。…変なことでなければ。
「やれやれ。困った奴…」
という俺の呟きを、母さんは聞き逃さなかった。
「…上手くやってる?」
「…は?」
「その…寿々花お嬢様と一緒に暮らすの…。価値観の合わない人と暮らすのは、大変だろうと思って…」
…あぁ、成程。そういう話…。
心配してくれてたんだろうな。ずっと。
生まれも育ちも、まるで正反対に近い俺と寿々花さんが。
一つ屋根の下、ほぼ初対面同士でいきなり同居。
そりゃ大変だろうよ。…俺だって、最初はそう思ってた。
覚悟してたよ。色んなことをな。
だけど、実際一緒に暮らしてみると。
大変なことは確かにあったよ。…今日とか。
それでも…最初に心配していたほどではなかった。
大変なことより、拍子抜けすることの方が多かった気がする。
「彼女…あなたに辛く当たったりしてない?」
「いや、それはない」
俺は、それだけはきっぱりと否定した。
俺も最初は、それをずっと心配してたんだが。
驚くほど、そういうことは全くない。
「あの人、お嬢様の癖に、全然お嬢様っぽくないって言うか…。さっきも見ただろ?ちっこい子供みたいなんだよ」
「そうなの?傲慢に振る舞ったりとか…」
「いや、全然ない」
あの人と来たら、何処までも無邪気で悪意がなくて、お子様で…。
何も考えてない顔して、実際何も考えてないことの方が多いけど。
それでいて、妙に繊細って言うか…傷つきやすいところもあって。
…なんつーか、誰かが手綱を引いて、守ってやらなきゃいけないって思う。
一言で表現するのは難しいな。
ただ、確かに言えるのは。
「思ってたより、悪い生活じゃないよ」
もっと、悲惨な生活が待ってると思ってた。
召使いみたいな。自由のない奴隷みたいな生活を送ることになるんだろうと。
でも、そんなことはなかった。
こんな毎日がこれから先も続くなら、悪くないって思える。
五臓六腑に染み渡る、って言うか。
人生で、これほどチーズケーキを美味しく食べたことがあるだろうか。
え?大袈裟?
そう思った奴は、さっきのインスタントラーメン食べてこいよ。
あれの後で食べたものなら、何でも感動するくらい美味いからさ。
この世にこんな美味しいものが存在したのか、って思うから。マジで。
「美味しかったねー、悠理君」
「あぁ…。多分、人生でこんなに美味しいチーズケーキは、もう二度とないだろうな…」
生き返った気分だよ。
「…よし。こうしちゃいられないや。悠理君、私頑張るね」
「お、おぉ…?」
何を?と聞く暇もなく。
寿々花さんはケーキのお皿を片付けて、さっさと二階に上がって行ってしまった。
…何を企んでるんだ?
何でも良いよ。…変なことでなければ。
「やれやれ。困った奴…」
という俺の呟きを、母さんは聞き逃さなかった。
「…上手くやってる?」
「…は?」
「その…寿々花お嬢様と一緒に暮らすの…。価値観の合わない人と暮らすのは、大変だろうと思って…」
…あぁ、成程。そういう話…。
心配してくれてたんだろうな。ずっと。
生まれも育ちも、まるで正反対に近い俺と寿々花さんが。
一つ屋根の下、ほぼ初対面同士でいきなり同居。
そりゃ大変だろうよ。…俺だって、最初はそう思ってた。
覚悟してたよ。色んなことをな。
だけど、実際一緒に暮らしてみると。
大変なことは確かにあったよ。…今日とか。
それでも…最初に心配していたほどではなかった。
大変なことより、拍子抜けすることの方が多かった気がする。
「彼女…あなたに辛く当たったりしてない?」
「いや、それはない」
俺は、それだけはきっぱりと否定した。
俺も最初は、それをずっと心配してたんだが。
驚くほど、そういうことは全くない。
「あの人、お嬢様の癖に、全然お嬢様っぽくないって言うか…。さっきも見ただろ?ちっこい子供みたいなんだよ」
「そうなの?傲慢に振る舞ったりとか…」
「いや、全然ない」
あの人と来たら、何処までも無邪気で悪意がなくて、お子様で…。
何も考えてない顔して、実際何も考えてないことの方が多いけど。
それでいて、妙に繊細って言うか…傷つきやすいところもあって。
…なんつーか、誰かが手綱を引いて、守ってやらなきゃいけないって思う。
一言で表現するのは難しいな。
ただ、確かに言えるのは。
「思ってたより、悪い生活じゃないよ」
もっと、悲惨な生活が待ってると思ってた。
召使いみたいな。自由のない奴隷みたいな生活を送ることになるんだろうと。
でも、そんなことはなかった。
こんな毎日がこれから先も続くなら、悪くないって思える。


