お土産の買い物を終えて。

「はいっ、悠理君、これ」

「…どうも…」

寿々花さんに、買ったばかりのグソクムシのキーホルダーを差し出された。

…俺、これどうすりゃ良いの?

車椅子の青年みたいに、『爬虫類の館』で買ったキングコブラのキーホルダーの隣に並べておこうかな。

キングコブラと並ぶグソクムシ…。どんな光景だよ。

シュール過ぎるわ。

しかし。

「えへへ。悠理君とお揃いだねー」

「…」

お揃いのキーホルダーを買って、ご満悦の寿々花さんを見ていると。

文句も言えないって言うか…。まぁ結果オーライかな、と思ってしまう。

動物園、結局行けなかったもんな。

せめて深海魚水族館でも、寿々花さんが楽しんでくれたならそれで良い。

それで良いってことにしておこうぜ。

「それでは、我々はこれで」

水族館のロビーで、俺達は自称アンドロイド一行と別れることにした。

「えーっと…。色々教えてくれて、どうもでした…」

「お気になさらず。世界は広いように見えて、意外と狭いと言います。いつか、また会うこともあるでしょう」

マジで?

また会うのは構わないけど、今度は街中の、普通の場所で出会いたいものだ。